2010年4月19日月曜日

2010年のかすみ草品種

■ドイツのセレクタ・クレム社(カーネーション、ガーベラ等)のかすみ草は2009年から開始。日本では、群馬県のカネコ種苗が苗の扱いをしていたが、2010年は広島県江田島市の美香園(長坂氏)が扱うようである。3月来村時に大田花きで同社幹部と会、その時は何も言っていなかった。ケニア・エクアドルに1haかすみ草作付。

 世界のかすみ草の育種はイスラエルが中心でシェアも9割を超える。その中心はダンジガー社である。その育種を担当した人々が離社後、品種開発をして似たような品種を販売している。そのため品種権の訴訟が起きている(バイオロジカル社などの品種)。

 ドイツのセレクタ社はこうしたイスラエル育種品を2009年からケニア・エクアドル(コロンビア)・日本に販売をはじめている。育種者は雪ん子の育種をしたひと、だということだ。

 南米のエクアドル・コロンビアで大規模農園を展開するエスメラルダ社は、ダンジガー社の世界大ヒット作ミリオンスターを生産する農園であったが独自品種(ミリオンスターの枝数が倍ある品種・ダブルタイム)を発見しそれを中心に育種を進めている。2008年9月にエクアドルの同社を訪問し展示会でも見たがいちばんオリジナリティのある育種を展開している。2008年に日本のキリンアグリバイオがこのエスメラルダ社かすみ草を日本で販売したが、2009年秋に契約を解消、キリン自体が花事業から撤退し、名古屋市の福花園種苗がかすみ草は引き継ぐが、本年は苗の供給は難しい状態である。ファンタイムが世界標準品として私はいちばん期待している品種である。昭和花き研究会でも2008年、2009年とキリンからの苗の提供を受けて奥会津の昭和村大岐等で試験栽培をしている。

 さてドイツのセレクタ社は現状はスペインを中心としているが、2009年にかすみ草を販売し、アフリカのケニアに1ヘクタール、エクアドルに1ヘクタール、新品種を栽培している。新規勢力である。ブロッサムを中心として夏作の産地に、CV405品種、臭いが少ないセレブレイションを和歌山県(JA紀州中央等)に展開するようだ。昭和花き研究会でも試作は継続する予定。

 日本のかすみ草はミヨシ(東京・山梨)のアルタイルを中心として動いていく。夏作産地は短く咲いてしまう欠点があり、多用な種が導入・試作されている。

 ダンジガーの雪ん子の時代は終わり、その各種21世紀品種をスミカ(住化農業資材・大阪)が日本向けの選抜をして「~ベール」のラインナップを出している。今年はベールスターという品種が夏作産地(北海道・会津)で増えている。