2018年4月21日土曜日

2018-4-20 サンデラ博士の懸念

■新潟県 魚沼 → 花き組合創立70周年。昭和23年にはもう組合が出来ていた。「 宝物のような値段の種を買って栽培が始まった 」 

 → 夢つないで百年産地へ。『ユリで、思いを、伝えたい』

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■花き市場経由での切り花価格の低迷は、構造の大きな変化から来ている。ほとんどの卸が経営赤字になっている。

 大田花き 磯村信夫社長のコラムより(4月16日) → 現在の花の安値には三つの理由がある。全国レベルでは、閉店した花屋さん分の売場面積を、量販店の売場面積では補完出来ず、仏花素材を中心に、荷余りが多くなったことが一つ挙げられる。二つ目は、団塊ジュニアが消費の中心となる中、都心の一流花店が、新しくカジュアルブランドを作り、チェーン展開しているが、そこで使用される素材は、まだまだ供給量が足りない。すなわち、品目の需給のミスマッチが起こっている。三つ目は、一昨年の下半期から、生産地、輸入商、花束加工業者、大手業務店等が、卸・仲卸を抜いて直接取引をしたことだ。この結果、実需者に価格競争で売りに走り、市場価格が滅茶苦茶になることがあった

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■2018年4月20日(金)午後3時過ぎ、京都の → 地球研(総合地球環境学研究所) の阿部健一先生(環境人類学、世界農業遺産委員)の運転で、嶋田さん、アメリカのアリゾナ州立大学のサンデル先生・アニック先生夫妻が来村、大岐まで来られた。 







■アメリカのアリゾナ州立大学のサンデラ先生が来岐されて、議論したのは日本の産業構造論である。オランダ生まれの先生は、オランダの花き事情・品質管理にも詳しく、現在のオランダが世界各地に航空機で花を輸送していることの地球環境問題への懸念を、熱っぽく語られた。不明な専門的な言葉(英語)は、地球研の阿部健一先生に通訳していただいた。サンデラ先生は「日本は輸送をモーダルシフトしていかなければだめだ。あなたは花の輸送をどのように考えているのか?」と質問された。
 かつて昭和花き研究会時代に、福岡花市場(福岡市)への輸送で、クールコンテナ輸送(JR)でモーダルシフトの試験を何度か行っている、と回答した。
 また現在の沖縄から本土への菊類輸送が、海上クールコンテナ輸送になっている点、オランダもアフリカ・中南米からの輸送については海上クールコンテナ(0.5℃)で30日間かけている等のことを説明した。

 昭和村大岐に滞在した2時間、サンデラ先生は質問を続けた。特にコスト問題と持続性。

 → 2016年12月15日、京都市内で初見


 → 2018年4月20日午後、昭和村来村




サンデル・ファン・デ・ル-(Sander E. van der Leeuw)教授と
奥様のアニック・クーダート(Anick Coudart)教授

 サンデルさんは、シリアやフィリピンなどで考古学的発掘調査の成果を民族誌とつないで人間と環境変化の研究を行ってこられた。現在は、同大学のグローバル研究学部の学部長を務め、人類の環境への適応や社会変化などを研究するための文理融合的な研究機関の創設に関わってこられたとのこと。アニックさんはパプアニューギニアで人類学的調査を行い、現在は同大学の非常勤講師として人類学を教えている。
(2013年みんぱく記事より引用)